新旧 EOS 対決 その2

前回に続き、EOS 7D スペシャルトライアルキャンペーンの期間中にテストした内容です。
今回は APS-C 対決。EOS 7D vs EOS 30D

高感度・長時間露光のノイズについて

一般的にノイズに関しては受光素子のセル(ピクセル)サイズが大きい方が有利だと言われています。
と言う事は、同じセンサーサイズなら画素数の少ない方がノイズの発生は少ないはず。

ならば…試してみましょう。

EOS 7D 30秒 f 11 ISO 200

EOS 30D 30秒 f11 ISO 200

いつものように画像をクリックすると新しいウインドウでオリジナルサイズの画像が開きます。

先の検証では、実効感度に大きな差はなかったのですが、
これらの画像から感じられるのは、EOS 7D の方がより暗く写っていると言う事です。
実際の撮影時間は10分足らずの時間差です。
曇り空で国道沿いの明かりが、そこまで極端に変化するのか疑問です。

さて、件のノイズに関しては、どうでしょうか?

ノイズに注目した場合、双方とも大差はない印象を受けます。
最初に述べた通り、一般論として同じセンサーサイズなら画素数の多い方が
ノイズ面で不利である…はずなのですが、大差が無いと言う事は、
EOS 7D のノイズ除去は相当うまく機能しているのではないか。と考えられます。

高感度でのノイズについて

EOS 7D の最高撮影感度は ISO 12800 相当ですが、条件をイーブンにするために
EOS 30D の最高撮影感度である ISO 3200 で比較してみましょう。

EOS 7D 2秒 f11 ISO 3200

EOS 30D 2秒 f11 ISO 3200

縮小した画像で比較すると EOS 7D の方が EOS 30D よりノイズが少なく感じますが、
ピクセル等倍で比較してみると、ほぼ互角と言って良いでしょう。
結果、やはり EOS 7D の方が相対的にノイズが少ないと言う事になるでしょうか。

ただ個人的に気になるのは、それによって犠牲になっていると思われる解像感。

少なくとも今回のサンプルを見る限りは、EOS 30D の方が解像感が高く感じられます。
特に送電線辺りが顕著でしょうか。
考えうる要素として、レンズの分解能よりもセンサーの細分化が大きく、
結像して見えないと言う可能性もあります。

この辺りの検証については、工学的な検証が必要かと思われますので、
専門の方にお任せするべきだと考えますので、ここでは印象についてのみ述べます。

参考までに EOS 7D ISO 12800 の画像

さすがにここまで来ると、相当ノイズを感じる事が出来ます。

とは言うものの、かつて在った RSP の P4 現像よりも感度が高い事を考えると、
それなりに価値はあると思います。
実際の用途に関しては、かなり限定されると思いますが…。

まとめ

EOS 7D の高感度は正直オドロキです。
モータースポーツでは、それほど高感度を必要としませんが、
バスケットボールやバレーボールなどの屋内スポーツ撮影では威力を発揮するのではないかと思います。

長時間撮影についても、さすがに天体撮影などの撮影では辛いかもしれませんが、
一般的な長時間露光だと問題なく使えそうです。
ただ、条件によっては、EOS 7D がより暗く写ってしまう事だけ、注意する必要があるかもしれません。

と、ここまで書いて思い出した事がひとつ。
現時点では仮定の話ですが、EOS 7D で新たに採用された「63分割デュアルレイヤー測光センサー」が
多少なり影響している可能性も完全には否定出来ないのではないか…と言う事。

AE のバラつきを抑えるため、マニュアル露光で撮影していますが、
色情報が DIGIC に何らかの影響を与えているのかもしれません。

あるいは、EOS 30D が経年劣化している可能性もあるので、謎のままですが・・・。

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