新旧 EOS 対決 その1

1年以上ぶりのご無沙汰であります。

さて今回は EOS 7D スペシャルトライアルキャンペーン で EOS 7D を数日間借りる事が出来ましたので、
現有の旧世代 EOS Digital 達と色々比較をしてみました。
果たしてどのくらいのスペックアップをしているのか、またそれはどんなシチュエーションで有効なのかを考えてみます。

発色について

条件:
レンズ:EF 70-200 mm F2.8 L
RAW データから Digital Photo Professional 3.7.2 で JPEG に現像
ピクチャースタイル:スタンダード
色空間:sRGB
露出補正、シャープネス、レンズ補正:なし

※画像をクリックするとオリジナル画像が別ウインドウで開きます。(データサイズが大きいのでご注意ください)

EOS 7D EOS 30D
EOS-1D Mark 2 EOS-1Ds Mark 2

ご覧頂いているブラウザ等の環境により、若干の違いはあるかと思いますが、
1D Mark 2 系と比較して APS-C の2機種は暗く見えていると感じられます。

DigitalColor Meter で検証する

そこで、客観的にデータを検証するために、Mac OS X にある DigitalColor Mater を用いて
表示されている色の情報を確認してみます。

上の画像では判りませんが、カーソルをあてた部分を中心に、指定した対象範囲の平均値を表示してくれます。
これを用いて、カラーチャートの一番下にあるグレースケール部分及びバック紙のグレーを測色した結果が下の表になります。

数値は上からR・G・Bの順に記載しています。

カメラ名
White
Natural 8
Natural 6.5
Natural 5
Natural 3.5
Black
バック紙
             
リファレンス値
255
255
255
249
249
249
180
180
180
117
117
117
53
53
53
0
0
0
none
EOS 7D
222
222
221
193
194
196
148
148
151
96
97
99
50
51
52
19
21
20
93
93
93
EOS 30D
229
229
226
198
199
200
156
157
158
100
102
104
51
52
54
21
21
21
97
95
100
EOS-1D Mark 2
235
235
232
205
207
208
165
168
170
108
114
117
56
59
62
22
22
23
111
108
114
EOS-1Ds Mark 2
235
235
233
206
207
208
166
168
171
109
113
116
57
59
62
22
23
23
106
106
110

各項目とも数字が大きくなると明るく、小さくなると暗くなるので、
上記の数値からBlack以外の数値がリファレンスと比較して小さく(暗く)、
また APS-C の2台が 1D 系の2台と比較して、暗く写っている事が判ります。
とは言え、リファレンス値に記載しているデータだとコントラストが高くなりすぎるので、
実際にはこちらのウェブページの情報が現実的かと思われます。
加えて、バック紙の測色データを見ると、EOS 7D が EOS 30D と比較しても、僅かに暗く写っている事が判ります。
中間調からダークグレーのデータから EOS 7D の印象が暗く感じられるのではないかと想像出来ます。

同様に下から2段目の数値を表にしてみました。

カメラ名
Blue
Green
Red
Yellow
Magenta
Cyan
           
リファレンス値
0
0
142
64
173
38
203
0
0
255
217
0
207
3
124
0
148
189
EOS 7D
38
36
123
61
143
85
190
18
35
221
185
56
192
56
119
40
124
170
EOS 30D
39
31
136
64
149
55
188
18
53
223
192
53
195
55
126
41
125
179
EOS-1D Mark 2
26
40
142
60
152
92
232
20
40
234
204
80
231
55
126
20
130
184
EOS-1Ds Mark 2
25
33
132
57
144
87
217
0
29
221
191
72
214
59
126
19
119
171

数値的にはリファレンスより補色成分が多いようで、いわゆるヌケの良くない状態と言えるでしょうか。
全体的に明るく表示されているので、1D 系の方がヌケよく見えるかもしれません。
データ的にも 1D 系の方が Red の発色が明るく強い印象を裏付けているようです。

ひとまずまとめ

全体として色傾向はいわゆる「キヤノンの色」なのでしょう。
他機種との大きな差は見出せませんでした。

実効感度(?)に関しては、EOS 7D がやや暗く写る傾向がある事も判りました。
この辺りは工業製品としては、許容範囲内なのかもしれません。
とは言うものの、将来的にファームアップで、こっそりとゲインアップする可能性も無いとは言えないわけですが…。

参考までにテストしてみたところ、EOS-1D との対比で EOS 7D を+0.3 で現像するとほぼ同じ値になる事が判りました。
個人的にはアンダーの方が後処理がやり易いので、好ましい傾向だと思っていますが、
人それぞれ。それでは困る方も居られると思います。
高輝度階調優先の処理をすると、また結果も違ってくるのではないかと思われますが、
今回のテストでは非対応のカメラとの比較なので、敢えてその機能は使っていません。

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