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前回 RAW データを JPEG データに現像(変換)するアプリケーションによって結果に差が出る事を確認しました。
しかし何故 RAW データと言う形式で保存するのでしょうか?そもそも RAW データとはどのようなデータなのでしょう。
Web 上で「RAW データ」と言う言葉で検索してみると、何十万件ものページがヒットします。
詳しくは、それらのページをご覧いただいた方が良いと思われますが、軽く説明しておきます。
RAW(ロウ)…原料のまま、未加工の、と言う意味合いの英単語です。
デジタルカメラの用語としては、CCD や CMOS の受光素子で光を電気信号に変換したままの状態の事を言います。
一般的なデジタルカメラの場合、画素1つにつき光の三原色(R…レッド、G…グリーン、B…ブルー)いずれかの情報のみを
電気信号に変換しています。
このままでは不完全な画像情報なので、それぞれの色情報から補完して完全な画像情報として記録します。
RAW データとは、データが補完処理される前の不完全な画像情報なのです。
ここでは、キヤノンの RAW データ現像処理アプリケーションである、Digital Photo Professional(以下 DPP)を用いて
実際の処理について進めていきます。
2006年11月14日現在、最新のバージョンは 2.2(Mac版は 2.2.2)ですが、ここでは 2.1.1 を使っています。
基本的にはデフォルトに近い状態で使っています。
『基本設定』の項目で、いくつか変更しているポイントは次の通りです。
「起動時のフォルダ」は「指定したフォルダ」で撮影データを保存しているハードディスクのトップディレクトリを指定してあります。
「出力解像度の初期値」は印刷原稿として入稿する事を前提に、350dpi にしてあります。
『表示設定』と『ツールパレット』の項目はデフォルトのまま。
『カラーマネージメント』の項目で変更しているのは「標準作業用色空間」を Adobe RGB に指定しています。
『基本設定』の中に「動作モード」と言うものがあります。ここに実は興味深い設定があります。
それは「ノイズ緩和処理設定」と言うものです。
言葉の意味から考えて、生成画像におけるノイズに関与すると考えられるわけですが、
実際には、どの程度の効果があるのでしょうか?
実際に実験してみました。
輝度ノイズ緩和 なし |
輝度ノイズ緩和 弱 |
輝度ノイズ緩和 強 |
|
色ノイズ緩和 なし |
|||
色ノイズ緩和 弱 |
|||
色ノイズ緩和 強 |
※画像をクリックすると中央部の拡大画像が別ウインドウで開きます。
マトリックス状態に並べた一覧画像(806.3KB)
上のサンプル画像では「輝度ノイズ緩和」を強くする程、シャープネスが低くなっているのが判ると思います。
ただ色ノイズ緩和に関しては判りにくいサンプルかもしれません。
なので、ちょっと無茶なサンプルを作ってみました。
ライブステージでの撮影で感度設定は ISO 3200 相当の H モードです。
赤く囲んだ部分を拡大したものが下の表になります。
色ノイズ緩和 なし |
|
色ノイズ緩和 弱 |
|
色ノイズ緩和 強 |
これで比べても気休め程度の効果しか無いように見えますね。
このサンプルの場合、高感度設定での撮影であらゆる面でノイズの発生は不可避な状態です。
実際の効果として期待出来るのは偽色の緩和と言う事になるでしょう。
最後になりましたが、これらの検証結果を踏まえて私が使っている「ノイズ緩和処理設定」は、
輝度ノイズ緩和…なし、色ノイズ緩和…強
以上を基本設定として DPP を使っています。
これを参考に皆さんでお好みの設定を見つけていただけると幸いです。
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