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携帯電話にデジタルカメラが搭載されているのは、既に当たり前になってきました。
しかも当然のように高画素化が進んでいます。
もちろん携帯電話だけではありません、コンパクトデジタルカメラも遂に1,000万画素の時代です。
高画素化の背景には、画素数が多い方が高画質である…と言うイメージがあって
より画素数の多い物へとシフトしているのではないかと考えるのですが、どうでしょう?
実際、少しカメラの事を知っている方から「やっぱり画素数は多い方が良いんですかねぇ?」なんて言う質問を受けたりします。
もちろん画質については、それを観る人の主観による部分が大きいとは思いますが、
出来る限り客観的に判断するためには同じ被写体を同じ条件で撮り比べるのが一番良いかと考えて、
検証してみる事にしました。
下の表に3枚の画像があります。これらは全て300万画素のデジタルカメラを使って撮影した物です。
ただし一眼レフタイプ、コンパクトタイプ、携帯電話での撮り比べです。
どの画像が何で撮影されたのか判るでしょうか?
※画像をクリックすると別ウインドウで少し大きな画像を見る事が出来ます。
ご覧の通り、ベニヤ板の上にプラスティックのカップとプラモデル、白い発泡スチロールの上には金属外装のコンパクトカメラ
そしてグレーチャートとカラーパッチが被写体になっています。
光源は一般的な蛍光灯(サークライン)です。また三脚は使っていますが、押し付けるようにしているだけで固定はされていません。
撮影に使用したのは、一眼レフタイプが「EOS D30」コンパクトタイプが「COOLPIX 3200」携帯電話が「SH901iS」です。
発売されていた時期は異なりますが、それほど大きなハンディキャップにはならないと考えます。
さぁて、一体どの画像が何で撮影されたのか判りましたか?
答えは下の表です。
COOLPIX | SH901iS | EOS D30 |
部分拡大した画像を並べてみましょう。(クリックするとオリジナルの画像が別ウインドウで開きます)
COOLPIX | SH901iS | EOS D30 |
上の拡大画像を見て、どう思いますか?
「一眼レフってピンボケ?」・・・実はこれジャスピンを切り取った物ではないのです。
オリジナル画像を精査すれば判りますが、ジャスピン位置は向かって左側(ザクの右膝あたり)なのです。
(多少カメラブレの影響がある事は否定できませんが…)
携帯電話で撮影した画像は色が変わってますよね。
これは下地になっているベニヤ板の色にオートホワイトバランスが引っ張られたのだと考えられます。
そして一番ノイジーなのも携帯の画像。この原因はJPEGの圧縮率によるものだと考えられます。
コンパクトデジタルカメラの画像は色もおかしくなく、ピントにも余裕があるため見やすい画像ではないかと思います。
ただ、このように3枚を並べると一眼レフと比較した場合、ややノイジーに感じるかもしれません。
また発泡スチロールの質感でも携帯電話の画像は、物足りない部分を感じる事が出来ます。
画像に埋め込まれた Exif のデータからコンパクトデジタルカメラと携帯電話の受光素子サイズは同じだと推測できます。
明らかに受光素子サイズが異なるのは一眼レフデジタルカメラだけという事になります。
ちなみにどのくらい大きさが違うのかを図解すると…
上段の青い四角がコンパクトデジタルカメラ及び携帯電話のセンサーサイズ 重ねてみると一眼レフデジタルカメラのセンサーサイズはコンパクトデジタルカメラの この面積の差が画像のボケ足や暗部から明部への階調の違いに影響を与えています。 |
大きなセンサーを持つと言う事は、豊かな階調表現を可能にし、画像ノイズの低減にも関連があります。
(厳密に言うならば、受光センサーを構成する一つ一つのセルサイズになるのですが…)
この辺りについては、受光センサーだけではなく信号を処理する周辺回路(映像エンジンなどと呼ばれる)の
チューニングによっても変化するため一概に「こうだから、こうだ」とは言えないのですが、
一般論として言われる「高画素数=高画質」と言うのは正しくないと断言します。
最終的に求めるクオリティ次第で携帯電話でも充分な事もあれば、一眼レフでも足りない事もあると思います。
まさに「適材適所」と言ったところでしょうか。ただし画像のクオリティを下げる事は簡単ですが、
その逆は不可能と言って良いので、場合によってはオーバークオリティな画像を記録しておく事が必要になります。
このためブログなどのウェブメディアにのみ使用する場合に限定すれば携帯電話でも必要充分な画像を得る事が出来そうですが、
プリントする事までを視野に入れた場合、最低でもコンパクトデジタルカメラで撮影した画像でないと
画質面において苦しいのではないかと考えます。
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