デジタルカメラ自由研究 JPEGの画質を検証する その2

圧縮率と画質

JPEG 形式のデータの特徴として、データサイズが小さくなる…と言う事が挙げられるかと思います。
しかし反面、JEPG 形式は他のファイル形式と比較して画質の面で劣ると言われる事も事実です。

JPEG 形式の特徴として圧縮率を変化させる事でデータサイズを小さくして保存できます。
すなわち同一サイズのメディアで比較した場合、圧縮率を高くすることでデータサイズを
小さくする事が出来るため、たくさんの画像データを保存する事が出来ます。

パソコンのディスプレー上や小さなサイズのプリントだと圧縮率を高くして
たくさんの画像データが保存できるようにしておいた方が良いように思われますが、
JPEG 形式のデータ圧縮は『不可逆圧縮』と呼ばれるもので、完全な形で元の状態に戻す事が出来ません。

それ故、高い画質を求める場合には、低圧縮率で保存しなければなりません。
もちろんデータサイズが大きくなるので、メディアに保存できる枚数は減ります。

実験

下の表には同一の Tiff データから変換した JPEG 画像が並んでいます。
それぞれ圧縮率を変えて、実際にどのくらい画質に影響があるのかを実験してみました。

表内はピクセル等倍の部分画像です。クリックするとオリジナルの画像が別ウインドウで開きます。

参考データ:元画像は RAW から現像した Tiff (8bit/ch) データ。23.47MB

Photoshop CS2
画質:0(最大圧縮)

保存データサイズ 219KB

ブロックノイズやモスキートノイズと
呼ばれるものが明らかに見えています

ファイルサイズとしては、
元データの 0.75% で
1/100 以下と言う事になります。

Photoshop CS2
画質:3「低(高圧縮率)」

保存データサイズ 286KB

随分ノイズが少なくなりましたが、
よく見ると僅かにノイズを確認
する事が出来ます。

元データとの比較で約 1%

Photoshop CS2
画質:5「中」

保存データサイズ 363KB

この程度の圧縮率になると、
サンプル画像ではノイズを確認
する事が難しくなります。

元データとの比較で 約1.25%のサイズ

Photoshop CS2
画質:8「高」

保存データサイズ 597KB

実用上、画質とデータサイズの
バランスが良いのが
この辺りではないかと思います。

元データとの比較で約2%のサイズ

Photoshop CS2
画質:10「最高(低圧縮率)」

保存データサイズ 1.06MB

この程度になると、もう判りませんね

元データとの比較で約4.5%のサイズ

Photoshop CS2
画質:12「最低圧縮率」

保存データサイズ 3.08MB

シャープネスの面で若干有利か?
と言う程度でしょうか。
殆ど気休めのような気もします。

元データとの比較で約13%

因みに私が JPEG での納品用に
使う圧縮率がこれです。

カメラ内部生成 JPEG ファイル

保存データサイズ 2.72MB

単純にデータサイズで比較すると
CS2 の画質11くらいなのでしょうか?

元データとの比較で約11%

まとめ

少なくとも一般用途に限定すれば、中程度の圧縮率以上を選んでおけば、概ね良好なデータとして保存できるのではないかと思われます。
ただし、我々のように商業印刷の原稿データとして扱う場合には、セーフティマージンと言う意味合いを含めて
最高(低圧縮率)を用いるのが良いのではないかと思われます。

またカメラ内部で生成される JPEG データも問題なく使えると言う印象を受けました。

※ここでの検証結果ならびにコメントに関しては、あくまでも私見を述べております。
 よって全ての状況に対応できるわけではありませんのでご了承ください。

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