デジタルカメラにおけるワークフローを考える

ケース1 (ロケ撮影)

雑誌取材などで外へ出向き、撮影するような場合だと、時間的・空間的に大きな照明機材を使用する事が出来ない場合も多いです。
そのため必然的にカメラのアクセサリーシューに取り付ける「クリップオン」タイプのフラッシュを使用する事になります。
当然の事ながら、これなら動き回るような撮影スタイルでも対応する事が出来ますしね。

撮影したデータはカメラ内のメディアに保存されます。(当然ですね)
明らかなミスショット(例えばストロボの不発光など)があったとしても、現場でメディアから画像を消す事はしません。
これは操作ミスによって目的外の画像データを消去しないための安全策です。
アナログ(フィルム)的思考で言うと、ミスショットがあっても現像するまでは切り取ってしまう事が出来ない。これと同様です。

現在、手持ちのメディアは 340MB と 512MB の MicroDrive が各3枚、
1GB の CF と SD が各5枚と言う構成です。
メインで使用する EOS-1D mk2 には CF と SD を同時装填していますから、実質は 5GB 分になります。
通常の撮影なら、ほぼ1日撮影していても大体これで間に合います。

撮影の作業自体はデジタルであろうとフィルムであろうと大きな差はありません。
強いて言うならば、デジタルで撮影している場合は時折画像を確認する程度でしょうか。
自分のために見る事もあれば、ディレクターさんやデザイナーさんが立ち会っているような場合に見せる事もあります。

撮影終了後、事務所に戻ってからメディアからパソコンにデータを抜き出します。
データを保存しておくのは PowerMac G4 で現在は 300GB のハードディスクドライブ 2台をソフトウェア RAID でミラーリングしています。
ひとつの案件ごとにフォルダーを分けておき、日付とクライアント名をフォルダー名とします。
例えば…「2006_07_01-○○」こんな感じです。(個人的な撮影の場合はクライアント名に換えて撮影内容になります)

場合によっては現場、あるいは現場近くで PowerBook G4 にデータを抜く場合もあります。
(例えば手持ちの空きメディアが無くなった場合や立ち会いの上でデータの確認をしたい…など)
あるいは現場から自宅直帰の場合も一旦 PowerBook G4 にデータを抜いておく事になります。
いずれの場合も後日事務所の PowerMac G4 にデータを転送してから実際の作業に入ります。

PowerMac G4 に保存されたデータを EOS Viewer Utility や Adobe Bridge で確認した後、
撮影に使ったメディアを使っていたカメラでフォーマットします。データの消去は「全消去」ではなく「初期化」です。
使っていたカメラで初期化するのは、ファイル番号を「通し番号」にしているからです。
間違ってしまうと、とんでもなく番号が飛んだり近い日付で同じ番号が存在してしまいます。
それを防ぐために「使ったカメラ」で初期化するのです。

次回はスタジオ撮影のワークフローです。

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